【24】第3回打ち合わせ 図面調整 @松島設計事務所

2016年5月21日

どーも。僕です。

第2回の打ち合わせ後、各部屋の比率や、作り付けの棚に何を収納するかなどを「あーでもないこーでもない」と夫婦二人で検討したものを松島さんにお伝えしていました。

その情報を元に松島さんが、さらにブラシュアップしてくれた設計図面を見ながら、床材、棚の板材、壁や天井の色や、照明のスイッチ、キッチン設備機器なんかについて決めていきます。

僕らのラフラフなスケッチや意見を、取りまとめて詳細な図面に落とし込む……改めて建築家ってすげーなと思います。しかも、松島さんは仕事が早い!

今回の打ち合わせの目的は、見積りを作るために必要な情報を共有することです。この時点では、あくまで仮決め。なので、ここは妥協せずにやりたいことを全部てんこ盛りにする感じでお伝えしてしまいます。

絶対に予算を超えるけど、後から妥協できるトコロを見つけて減額していかないと、絶対に「あのときあっち選んでりゃよかった…。」などと後悔する羽目になるそうです。

 

いざ、松島潤平建築設計事務所へ

この日は松島潤平建築設計事務所にお邪魔しました。松島さんの城にお邪魔するとあって、夫婦共々緊張です。

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住宅街の一角の一軒家をセルフリノベーションして、使用している潤平さんの事務所はとても素敵でした。

真ん中に生けてあるのはドウダンツツジ。僕たちも大好きな緑です。
むき出しの梁からは奥さんの趣味だというドライフラワーが吊るされていました。うちの妻もドライフラワーが好きで天井から吊るしています。
部屋の香りはランプベルジュのもので、僕たちも愛用しているものでした。

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なんだか、共通点が多くて思わず笑ってしまいました。

そんな感じで3回目の打ち合わせがスタートしました。

 

作り付けの壁収納について

前回の打ち合わせで出していただいた壁一面の作り付け棚ですが、今回の提案ではさらに進化していました。
みなさんの家の本棚なんかの板厚を調べてもらえれば分かると思いますが、通常棚の板厚って20mm以上あります。なぜなら重さに耐えられないから。薄くしようと思うと、木材では難しいので、材は鉄を使用したりします。

<鉄の棚のイメージ>
棚のイメージ

しかし、今回提案された壁一面の作り付け棚の板厚は、9mm!
わかる人にはわかるとおもいますが、この板厚は現実的じゃない数字です。
僕はDIYが趣味で色々と作ってきましたが、9mm厚の板では重さに耐えられずに曲がってしまうことは目に見えています。

ゴオキ:「9mmで強度とか大丈夫なんですかね?」

松島:「イノウエインダストリィズさんという家具作りの達人集団がいて、そこに頼めばなんとかしてくれると思いますよー。」

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イノウエインダストリィズ…井上つながりですね。なんでも、D&Departmentなどのオーダー家具や武蔵野美術大学のサインやカウンターなどの製作を手がける職人集団らしいです。

これは心強い!イノウエインダストリィズさんはラワン材を使った家具作りを得意としているらしく、今回の棚も「日頃のラワン材の研究成果を出し尽くします!」と乗り気とのこと。
僕たちの家の棚もラワン材でつくることになりそうです。

ラワン材とは、いわゆるベニヤ板のことです。価格は安く、軽くて強度もそこそこありますが、表面がざらついていて、材の色もかなりバラツキがあり紫っぽかったり、赤っぽかったりするので、主に家の壁や家具の下地材など見えないところに使われます。

このラワン材を使って美しい家具を仕上げることが出来る人はそういないと思います。

<イノウエインダストリィズの作品例>イノウエ02

<D&Departmentのラワンシェルフ>
イノウエ01

出典:D&Department

松島:「以前、イノウエインダストリィズさんとコラボして15mmの厚さで棚を作ったことがあってですね。15mmでもすごいシャープな印象になって、木材じゃないみたいな感じに仕上がったので、今回は半分の9mmでいきたいと思います!」

DSC00548

9mmの板厚で作ることができれば、木材なのか金属なのかわからない不思議な空間を演出できるのだと、熱弁する潤平さん。
僕たちもその提案にワクワクしました。もうね。9mmで作りたい!でも、できるかできないかはイノウエインダストリィズに打診してみないとわからないとのことでした。

棚に使用する材は、有孔ボードとラワン材。どちらの材も表面が荒いため、家具に使われることはあまりない材です。

<ラワン材>
ラワン

<有孔ボード>
有孔ボード

食器収納棚部分のみ全面ガラス張りになっていて、器を見せる収納になる予定です。
お値段と、板厚9mmが可能かどうかが気になりますが、それは見積もりを取るまでわからないとのことで、おとなしく待つしかない…。

 

フローリングについて

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フローリングの素材は色が明るいものにしたかったので、オーク(ナラ)を選ぶことにしました。無垢板か複合板かはもう少し悩むことになりそうです。

材の種類によって色や質感は色々あるので、お好みのものを選べば良いと思います。
ちなみに木材の性質と値段の関係は以下のようになっています。
真ん中(サクラとか)以上の硬さのものがフローリングに向いています。

フローリング比較

無垢板、複合板でお値段が変わるうのかでお値段も変わってきます。
無垢板は、本物の木をそのまま使うので、質感に高級感があります。嘘っぽさがない感じです。ただ、お値段がお高くなります。そして湿気などで反ったりすデメリットもあります。
裏面に溝を掘ることで反りや縮みに対応したものを選べば、そういったデメリットも解消されてますけどね。

複合板は、合板の上に薄い無垢板を化粧板として重ねたもので、化粧板の厚さで値段が変わってきます。安いやつだと1mm以下で明らかに安っぽい感じになります。最近では2mm厚の化粧板を使ったものもあるようです。こちらの見た目は無垢板とほぼ変わりません。その上、芯材に合板を使用しているので、湿気による反りや曲がりに強いというメリットもあります。

 

タイルについて

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キッチンとトイレはタイルにすることにしました。タイルと一口に言ってもその種類は無限にあります。

なぜかイタリアやスペイン産が多いです。理由はわかりません。w
とりあえず、色だけ候補を選びました。

フローリングが明るめなので、タイルはフローリングより少し落ち着いた色調を選ぶことにしました。下の三つのような色調のどれかになりそうです。

<タイルの色のイメージ>
タイル赤茶タイル茶タイルベージュ

 

パントリーとウォークインクローゼットの棚について

棚はMDFという、安い材を使うことにしました。

来客からは見えない場所になるのでなるべくお金をかけたくないのと、バックヤード的なノリで無骨な作りにしたかったので、下地などに使うMDFを使うことにしました。
ちなみに、MDFとは木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合してボードに成型した「繊維板」の一種です。

棚の取り付け方法は「ガチャ柱」「ダボレール」の2パターンが考えられます。

 

ガチャ柱

ガチャ柱

ガチャ柱と呼ばれるレールにブラケットを取り付け、その上に棚板を固定する方法。
棚板との間に仕切り板がないので、置いてるものが端まで見える。
下からブラケットで支えるので重ものに強い。

 

ダボレール

ダボレール

棚の壁板のレールにダボを4つ取り付けて、ダボの上に棚板を載せる方法。
ダボレールを取り付けるために壁板が必要になるので、棚板との間に仕切り板が入り、置いてるものが端まで見えなくなる。
棚自体の見た目は綺麗なのも特徴ですが。あくまで僕の主観です。

材料費は同じくらいだったので、パントリーやクローゼットなどは、奥まで見通せた方が良さそうだということで、棚の取り付け方法はガチャ柱方式を採用しました。

 

照明スイッチについて

照明のスイッチにはこだわりたい!
無駄と言われとようと、スイッチにはロマンがある!

そう思うのは僕だけではないはずです。松島さんもわかってくれました。(笑)

松島さんが以前、設計したお家の施主さんも同じような思いを持たれていたようで、ON-OFFスイッチと調光スイッチをトグルスイッチでオーダーメイドしたらしいです。

とはいえ、オーダーは高いので、来客から見えるところはトグルスイッチ!見えないところは神保電気のNKシリーズ(リノベの定番らしい。w)にすることにしました。

<見えるところ:トグルスイッチ>
トグル

<見えないところ:NKシリーズ>
NK

 

照明レールについて

照明レールは、部屋の中央とキッチンの上に2本走らせることにしました。
レールまでの配線なんかは、鉄パイプで覆いたいですねー。

剥き出しのコンクリートに鉄パイプの組み合わせは鉄板でしょう!

<配線レールのイメージ>配線イメージ

 

クーラーの配置について

クーラーは寝室、子供部屋、リビングに3台

キッチン・リビング・ワークスペースが50平米の一部屋になっているので業務用のクーラーじゃないと賄えないのではないかと心配していたけれど、最近のクーラーのスペックは高く、ダイキンのうるさら7(セブン)1台でも十分だということがわかりました。

うるさら7R
出典:ダイキン

メーカー希望価格は84万円もしたので、ビビリましたが、価格.comで26万円くらいでした。

 

ウッドデッキについて

新しいお家は一階部分で、専用庭が34平米あります。その庭にウッドデッキを作り、部屋と庭を動線と視覚的に繋ぐことで、空間に広がりと奥行きを与えようという狙いの設計案らしいです。

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図面を見てるだけでも、とんでもない奥行きのお家になりそうで、ワクワクします。
これはウッドデッキは必須でしょう!ということになりました。

ウッドデッキの材は大きく分けると2種類あり、一長一短です。

 

人工木材

長所:経年変化が少ない、品質が均一、色が均一、施工性が良い

短所:価格が高い、皆さんが思っているほど耐久性がない、熱で伸びる、夏は暑くて歩けないとか…。

<プラスチックウッド>プラスチックウッド

プラスチックウッド、樹脂材など

 

天然木

長所:耐久性が良い。メンテナンスしやすい。天然木というプレミア度が高い、比較的安価

短所:経年変化が起こる。色とかは基本的にグレーっぽくなる。それも一年くらいでグレーになるらしい。

<セランガンバツー>
セランガンバツー

セランガン・バツー:安くて、長尺ものがあるので5.7mのウッドデッキを一本で貼れる。
イペ:トラックの荷台に使われるほど頑丈。

予算もきついし、本物っぽい方が好みだったので、経年変化も愛せるということで、セランガン・バツーを選択。
5m越えの長尺板材が手にはいることもこの材を選んだ理由の一つです。

継ぎ目のないウッドデッキを目指します!

 

以上のことを、だいたい6時間くらいかけて、話し合いました。
休日にも関わらず、対応して頂いて本当に感謝です!

キッチン機器と水洗金具にかかる費用を具体的に決めるため、ショールーム巡りもしましたし、どれを使いたいかもお伝えしました。

全ての設備機器の候補を組み込んだ見積もり設計を松島さん(設計士)が作成し、施工業者に工事内容を伝えることで、初めて見積もりを出すことがきます。

旅行も家を建てるのも、ひょっとしたら準備が一番楽しいのかもしれないなーなんて思った1日でした。

 

▼次の記事はこちら

【25】現地調査に同行してみた

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2016-06-02 | Posted in リノベーション2 Comments » 
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コメント2件

 D&DEPARTMENT PROJECT | 2016.08.16 12:16

初めまして。こちらのブログでご紹介いただいております「LAUAN SHELVES」ですが、作品例の写真2枚目、既成のシェルフ(http://www.d-department.com/jp/lauanshelves)はイノウエインダストリィズさんの製作ではありません。
オーダータイプ(http://www.d-department.com/jp/archives/sights/29393)のみ、製作をお願いしています。どうぞよろしくお願いいたします。

 tetoteto | 2016.08.17 23:43

ご指摘ありがとうございます。
早速、写真上に<D&Departmentのラワンシェルフ>という表記と、イノウエインダストリーズさんはオーダー家具を手がけている旨、加筆いたしました。

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