第二拠点、塩山物語 2021年

2021年7月12日

山梨県 甲州市 塩山(えんざん)という場所に、第二拠点となる場所を購入しました。

勝沼インター近く、甲府盆地を見渡せるこの場所を、私たちの第二拠点にしよう!と決めて購入するまでには、本当に右葉曲折たくさんのドラマがありました。

今回は、どうやってこの土地、この物件に辿り着いたか、その物語をまとめてみようと思います。

私たちのように、新たな拠点を探している人のきっかけやお役に立てるといいなと思います。

が、思い返せばもはや執念。

とにかく長いブログですが、どうぞお付き合いください。

 

2020年1月1日

このブログを書いているのは2022年の1月1日。きっかけは、今から2年前の元旦でした。

前日の大晦日、毎年恒例の家族写真を撮影しに近所の浄信寺にいきました。

この撮影の時は、気にとめていなかったのですが、大晦日から日が変わって元旦の深夜。

浄信寺へ再び初詣に行った帰りのことです。

お寺の入り口の建物の一階にある「テナント募集」の張り紙に目が止まりました。

そういえば、2016年に引越してきた時、ここはお蕎麦屋さんでしたが、すぐに閉店してしまい、それからずっと空きの状態でした。

普段何度も通って、ここの物件が空いていることも知っていたはずなのですが、「テナント募集」の張り紙に目が止まったのはこの時が初めてでした。

中を覗くと、暗くてよく見えませんでしたが、コンクリート打ちっぱなしの状態で天井も高く、かなり広そうな印象でした。

2020年。自宅でのホームパーティーの開催も3年が経ち、そろそろ新しいことをはじめたくなっていた頃でした。

「もう少し外に開けた場所を持つのもいいかもね。」

そんな会話を頻繁にするようになっていたため、いつも見過ごしていたこの張り紙にも目が止まったのだと思います。

ちなみに、駅前の路面物件の家賃ってどのくらいなんだろう???

全く想像がつかず、とりあえず電話して聞いてみよう!

そう思って撮影したのがこの貼り紙の写真なのです。

 

2020年1月5日

お正月三が日は、きっと電話がつながらないだろうと思い、特に何もせずにすごしました。

5日の家族旅行の道中「お蕎麦屋さんも空いているし、そろそろ電話もつながるかもしれない」と、ふと思い出して、貼り紙に記載されていた番号へ電話をかけました。すると、担当者さんに繋がりました。

この物件の借り手はまだいないこと。お蕎麦屋さんの居抜きではなく、スケルトン状態ですぐに工事ができること。広さは約100平米程度。家賃は40万円。

という情報を教えていただき、4日後に見学もさせてもらえることになりました。

なるほど。家賃40万円ほどで別拠点をもつことができるのか。

当時はまだ、それが高いか、安いか、妥当かなど何もわからない状態でしたが、ぼんやりと思い描いていた「新しくやりたい何か」の輪郭が見えてきたのでした。

 

2021年1月6日

私は、暗がりで見えたコンクリート打ちっぱなしの空間の印象から、妄想を膨らましていました。

食事ができる場所にしたいけど、普通のレストランやカフェではない空間にしたい。

キッチンスタジオを併設して、撮影もできるしパーティーもできるような空間にしたいな。。。

妄想するのはタダ。資料を集めながらワクワクする気持ちを高めていました。

 

2020年1月9日

内見の日。

いざ内装をやるとなったら、今の家を設計してくださった、松島潤平建築事務所 さんに再びお願いしたいと思っていたので、お声がけしたところ、スタッフのお二人が一緒に内見に来てくださいました。

中に入ってみると、想像以上に広くて、明るく、可能性が見えました。「ここで何か新しいことをはじめてみたい!」そう強く思えた瞬間でした。

いざ、何かを始めようと思っても、まずは家賃40万円を払うための事業を考えなければいけません。笑

また、ここの場所を改装工事するための資金も必要です。

・銀行からお金を借りるための事業計画

・工事にかかる費用の見積もり

具体的なことを考え始めました。

こんな事業をやりたい→適切な場所をさがす という方法が一般的なのかもしれませんが、私たちは常に「ワクワクドリブン」なので、「ワクワクするにはどうするのがいいか?」を軸に物事を進めていくのです。

今の家をリノベーションした時も、夫婦で会社を作った時も、ホームパーティーをやり続けていた時も、それは変わりません。

 

2021年2月6日

物件の初見学から1ヶ月が経ちました。この日、渋谷の sta. のオーナーさんとお話できる機会がありました。

sta.は、1階は展示スペース、2〜3階はカフェレストラン、時間帯によって、3階がイベントスペースになったり、お弁当・ケータリングサービスも行っていて、私たちが新しくやりたい!と思い描いている業態に近く、とても参考になるお話聞くことができました。

この時点で、私たちが思い描いていたのは、以下が盛り込まれたような空間です。

・珈琲・お惣菜などのテイクアウトスペース

・飲食店スペース(昼はカフェ、夜はお茶漬けがたべられる〆屋)

・菓子製造可能な加工所的キッチンスペース

・写真スタジオ兼、パーティースペース

・物販スペース

自宅ではできないことが盛り込まれた空間。こちらをどうやって運営していくのか、事業計画を立てていました。

 

2020年2月9日

ミシュラン2つ星を獲得した飯田橋のレストラン「イヌア(INUA)」を訪問し、キッチンやラボ空間を見学させてもらいました。

コペンハーゲンのレストラン「ノーマ(noma)」のヘッドシェフ レネ・レゼピとパートナーシップを結び、ノーマで活躍したシェフ トーマス・フレベルが「イヌア」のヘッドシェフを務めていただけあって、そのキッチンにはたくさんの発酵物がストックされていました。

ラボのような空間に憧れを抱き、キッチンスペースはこんなふうにしたいという妄想が膨らみました。

現在は閉店してしまったのが残念です。。。

 

2020年2月26日

やりたいことや事業計画が固まってきたため、どんな空間にしたいかイメージも湧いてきて、さらに資料を集めながら妄想を膨らませていました。

外観はこんなふうにシンプルで、テイクアウトしたコーヒが飲めるベンチが欲しいな。

シンプルな内装を妄想する日もあれば、、、

 

2020年3月15日

澤乃井酒造さんに訪れた時、苔のお庭にふと目がとまりました。

これから作る空間とは全然違うけど、こういう風景も好きなんだよなぁ・・・。

おもわずパチリと写真におさめていまいした。

 

2020年3月16日

山梨に移住したの知人の家を訪れました。

3年ほどかけて、週末に東京から通いながらDIYをして家を改修し、完成したところで移住をしたそうです。

透明な屋根が気持ちのいい空間でした。

とても眺めの良い場所でした。こんなふうに気持ちの良い場所で過ごすのも憧れるなぁと思ったことを覚えています。

 

2020年3月26日

2月末くらいから、コロナが本格的に広まり出して、ホームパーティーやイベントが全て中止になりました。

そんな世の中の動きにも影響を受けて、新しくお店を出すことに対して、私たちは消極的になっていました。

しかし、狙っていた物件は3年の間、借り手がいなかった空間なので、コロナの最中に決まることはないだろうという判断で、銀行へ融資の相談にいくことを先延ばしにしていました。

「何か、新しいことを始めたい。」

それは私たちにとって、お店をはじめる以外の事柄でもよかったのかもしれません。

美容院の帰り道にたまたま立ち寄ったペットショップで一目惚れした猫(ケムリ)に心を奪われ、新しくケムリを仲間に加えることで、私たちの暮らしはガラリと変わりました。

子猫のケムリが可愛すぎて、、、

ずっと家で過ごす日々でしたが、ハナビとケムリに夢中で、「新しいことを始めたい欲求」はこれでひとまず満たされてしまっていたのでした・・・。

 

2020年6月23日

とはいえ、別拠点へのあこがれは募ります。

3月に山梨で見た景色が印象的だったようで、無意識的にこんな資料を保存していました。

都内の店舗とは別に、こう言った「別邸」を持ちたい。「いつか」もてたらいいなぁ。そんなふうにSNSに呟いていました。

 

2020年9月の頭

コロナが少し落ち着いてきたので、そろそろ新拠点プロジェクトを再開して、銀行へ融資の相談にいこうか?

そんな話をしていた矢先、狙っていた物件の「テナント募集」の張り紙がなくなっていました。

まさか・・・!?と思い、不動産屋さんへ連絡すると、なんと借り手が決まってしまったとのこと。

3年間も借り手がいなかったから、大丈夫だろうと油断していました・・・。

 

2020年9月22日

せっかくやる気になってきたのに、物件をまた一から探すことになってしまいました。どうしたものかと思いつつ、SNSで突然表示された、鎌倉の一等貸切のホテル「maya」の結婚式相談会の広告に目が止まりました。

まだ結婚式を開催していない私たち。ここでなら自分たちの理想とする結婚式ができるかもしれない!ピンときて、すぐに予約し、結婚式相談会に行くことにしました。

(同時に色々なことを考え、色々なことに興味を持ち、色々なことを実行に移す私たち。。)

古民家をセンスよく改装した空間に感動。

狙っていたコンクリート打ちっぱなしの空間を改装したお店も良いけれど、古民家リノベーションも素敵だな、、、憧れるな、、、とこの時強く感じました。

同時に、新拠点熱が高まり出して、改めて一から物件探しをはじめようと思いました。

 

2020年9月25日

私たちのパワースポット、自由が丘にある「カタカナ」というお店の店主さんが、すごくお値打ち価格の物件が、うちのそばに出ていたよ!と教えてくれました。

3面が窓ガラスの明るい空間です。ここをレストラン兼、食品加工所にするのは面白いかもしれない。。。

不動産屋さんと具体的な話をすすめていったのですが、飲食店としてこのスペースを貸し出すことにあまり積極的ではないようで、通るかどうかわからないという状況でした。

なるほど。。。なかなかすんなりといかないものだなぁと、こちらの物件は保留となりました。

 

2020年10月02日

店舗としていい物件はないか、物件情報サイトをハシゴする日々です。

そんな中、自由が丘 に 100万円の物件が出ていました。

高すぎる・・・でも気になる・・・。不動産屋さんにお願いして見学させてもらうことにしました。

広い!すごく広い!

ここから入って、ここをカウンターにして、コーヒーの焙煎はここ。お惣菜販売や物販はここ。カフェの席がここで・・・

と、ものすごくイメージが湧く物件でした。

いい。ここでお店やりたい! 興奮していましたが、冷静に月100万円の家賃を払う事業計画を考えると、、、私たちのやりたいこととかけ離れている感じがして、諦めました。

 

2020年10月11日

埼玉県にある、コンブチャシップという場所を訪れた時

同じ敷地内に、大きな倉庫を活用している空間を見つけました。

こういった、倉庫を改装してカフェと加工所をつくるのもいいな・・・!というイメージが湧きました。

これをきっかけに、倉庫の物件を色々あたりました。

しかし、あくまで「倉庫」として使用しなければいけなくて、カフェにすることができなかったり、最寄りの駅から遠かったりと、なかなかココ!と決められる物件がありませんでした。

これは一部ですが、40件くらいはリストアップして比較検討していました。

 

2020年11月1日

倉庫のいい物件に出会えず、他のキーワードで探してみようか・・・と思ったときに、この写真を思い出しました。

こんな物件もいいなー。「絶景・物件」で探してみよう・・・と、新しいキーワードで物件を探している最中に、湖畔の物件に出会いました。なんて素敵な場所!!!

すぐに見学に行きたいと電話で問い合わせましたが、なんと・・・今は湖の水が干上がってしまっていて、写真とは全然違う雰囲気になっているとのこと。

ショックでした・・・

第二拠点は、家から車で30分以内の場所で探していましたが、こんな景色がいい場所なら、もう少し離れた場所でもいいかもしれない。。。

この湖畔の物件との出会いは、私たちに選択肢を広げるきっかけになりました。

 

2020年11月11日

仲良くしている、熱燗DJつけたろう家族の紹介で、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんの家を尋ねることになりました。

彼は、山梨県の塩山(えんざん)に住んでいます。

塩山は勝沼インターを降りてすぐの地域で、自然が豊かなのですが、コンビニやスーパーも多く生活がしやすい環境。交通の便もよく東京から車で2時間ほど。電車でも新宿から1時間半。

ブドウ・桃・さくらんぼ畑が広がっている素敵な場所でした。

小倉ヒラクさんに、塩山のワイナリーやガラス作家さん、甲府の五味醤油さん、美味しいお店などを1泊2日かけて案内してもらううちに、私たちはこの塩山(えんざん)という場所がすごく好きになっていました。

都内で、新しい場所を作って新しいことを始めようとおもっていましたが、それは塩山でもいいかもしれない。。。

直感ですが、この場所で何かをはじめたい!塩山で物件を探そう!

この1回目の訪問で、そう思いました。

 

2020年12月25日

年末最後の仕事を九州で終えて、自分たちへのご褒美に佐賀県の武雄温泉 旅館 御船山楽園ホテルに泊まった時のこと。

夜、宿泊者向けに「茶屋Bar」が利用できるようになっていました。

窓をすべて取り払った、東屋のような空間で、ライトアップされた池の景色を見ながら、お酒が飲めるのです。

この景色を見て、これから作る食品加工所は、こんな素敵な景色が見られる場所がいい。

そう思いました。美しい景色を見ながら、りんごバターを作ったり、パッケージシールを貼ったりできる。なんて豊かなんだろう。

そんな場所を作りたいと、強く感じた瞬間でした。

 

2021年1月12日

塩山で本格的に物件を探し始めたのは、新しいことを始めよう!とおもってからちょうど1年後でした。

インターネットで見つけた物件から、塩山の不動産屋さんに問い合わせをし、古民家をいくつか紹介してもらうことになりました。

塩山での物件探しのイメージは、500万円ほどの古民家を購入して、1500万円くらいでリノベーションをして加工所・カフェとして使えるようにしようとおもっていました。

この日は雪が降っていました。

予算500万円の古民家は、すごくボロボロだったり、浄化槽がなかったり。

古い雰囲気はとても好きだったのですが、手を入れないとすぐに住むことはできません。

逆に少し高い1000万〜1500万円の物件は、いい感じの古さを感じつつも、庭からの景色や駅からの近さなどで、予算オーバーでもいいから欲しい!と思えるほど、ピンと来る物件には出会えませんでした。

加工所やカフェとして使えそうな、駅前の倉庫も案内してもらいましたが、これだと都内の倉庫でもいいかなーとピンとはきませんでした。

いろいろ物件を見て回った後、小倉ヒラクさんのお宅に再度訪問。

今日の物件の話をしていると、「不動産屋さんにも掲載されていないような物件のほうが、掘り出し物があるよ!」と、教えてくれました。

そして、そういった物件情報をいろいろ知っている地元のキーマンを紹介してもらえることになりました。

その手があったか!と、塩山での物件探しに希望を持ち始めました。

 

2021年1月23日

2回目の塩山訪問です。塩山キーマンから、さらに地元密着型の不動産屋さんをご紹介してもらいました。

すると、1つ目からかなり良い物件に当たりました。

石垣が見事な、もとは養蚕農家だったおうちです。

部屋からの眺めもよく、ここでカフェをするイメージも湧きました。

お庭も広くて、野菜を育てたり、サウナをしたり。ここで加工所をしながら遊んだり暮らしたりするイメージも湧きました。

この家を売ってもらえないか、持ち主さんとお話してもらうように不動産屋さんにお願いしました。

 

2021年1月28日

持ち主さんからのお返事には、少し時間がかかりました。

その間に、京都で仕事があり、ずっと行ってみたかったスノーピークランドステーション京都嵐山を訪れました。

ここも、古い料亭をリノベーションして、スノーピークの店舗とカフェをしていました。

古民家とキャンプグッズの融合。私たちも、塩山の新たな拠点でこんな世界観を作ってみたかったー!というものがすべてここにありました。笑 すべて!パーフェクトに素敵でした。

そんなハッピー気分のなか、不動産屋さんから電話がありました。

が!それは吉報ではありませんでした。

売主さんからのお返事は、本人は売るつもりでいたけれど、いざ売るとなったら親戚の方から反対の声があがってしまい、売れなくなったとのこと。。。

なんと・・・

希望の場所で、新しいことのイメージを膨らませていたのに・・・本当に残念でした。

地方で物件を探していると、こういうことはよくあります。うまく行きそう・・・!と思うとダメ。こういうことが続いたりしますが、ポイントは、何度かそういうことがあっても諦めてはいけないのです。

その電話の最後に、不動産屋さんから「500万円という予算にはハマらないけれど、景色が良くて高台の物件があるんだけど、見学にきますか?」ということを言われました。

「景色が良い」というキーワードが気になり、ぜひ!とお返事をして、次に塩山を訪れる約束の日程を決めました。

本当に手に入れたいと思ったら、手に入れるまで諦めないことが大事。

次の塩山への訪問で、それは確信となりました。

 

2021年2月23日

この日は、運命の日でした。私たちの桃源郷との出会いの日です。

この日はよく晴れた気持ちの良い日でした。

不動産屋さんと合流して、物件を一緒に見に行くことに。

車で後をついていくと、グングン坂道をのぼって行くのが分かり、私たちもテンションがあがってきました。

塩山でいろいろと物件を見ていく中で、甲府盆地の坂を上がっていく先の風景は、いつも眺めが良い場所でした。

この坂は期待できそうだ・・・

そして、坂を上がった先の物件のお庭からの風景がこちらでした・・・!

なんてこった!素敵すぎる。。。甲府盆地が見渡せる庭には、立派な池もありました。

そして、すごいのは庭だけではありません。

振り返ると、なんと家まで立派!!!度肝を抜かれてしまいました。

中に入ってもびっくり!とても綺麗な状態でしかも広い。

藤棚や縁側もあります。

2階の和室の障子を開けると裏庭の竹林が見えます。

そして一番驚いたのが、ホームサウナがついていたことです・・・!電源を入れると、使える・・・!お風呂も立派で、しかも綺麗。旅館のようです。

ここは井戸水をつかっているそうで、水温も常に15度前後。

サウナ好きの私たちにはもう、言うことなし。

ここの家は、翻訳家さんと絵本の出版社をしているご夫婦のお宅だったそうで、敷地内には立派な書庫もありました。

30年前に建てて暮らしていたが、15年ほど前からは東京の家で暮らしていて、今はほとんど使用していないとのこと。

鶏小屋や、車庫もあります。

今まで見ていた古民家とは違いますが、眺めが抜群に良いことと、室内が綺麗で、ライフラインも整っていて、掃除をすればすぐにでも住めそうなところが魅力的でした。

さらに敷地は1600坪あるそうで・・・テニスコートや

さらに高台にはさくらんぼ畑もありました。敷地内でキャンプもできそうです。

本当に素晴らしい場所でした。

売主さんから預かっていたという家のファイルも見せていただいたところ、四季折々のお花や果実の記録や、この場所にやってくる動物たちとの思い出がまとめられていました。

売主さんにとって、この家が特別で思い入れのある家だったということが伝わってきて、この場所を引き継ぎたいと強く思いました。

不動産屋さんに話を聞くと、この家や土地を活用してくれそうないい人がいたら紹介してほしいとお願いされていたそうです。

いろいろな物件を見ながら、私たちがやりたいことを話しているうちに、不動産屋さんも何かピンときて、この物件を思い出して紹介してくださったそうです。

運命のようなものを感じました。

この日の日記からも興奮が感じられます^^

ただ、問題なのが金額でした。

予算よりも高いと聞いていた物件の金額は、2000万円。

ただこの金額、たくさんの物件を見てきた私たちからしたら「お買い得!」だと思いました。

500万円でボロボロの古民家を購入し、1500万円で改装する。総額2000万円です。

この金額で、こんな素敵な1600坪の土地と、すぐにでも住める家が手に入るのならば、もう購入するしかない。

そう思いました。

しかし、金策を練らなければなりません。。。

銀行に借りにいくという手もありましたが、ここで始める事業のことは、ゆっくり考えていきたい。。。

そこで、両親にお願いをして足りない分のお金を貸してもらうことにしました。

両親へ必死にプレゼンして、なんとか足りない分のお金を貸してもらい、この家を購入する資金を集めることができました。

 

2021年3月31日

購入したいという意思を不動産屋さんに伝え、売主さんと直接お会いすることになりました。

3月に入って、庭の枝垂れ桜が満開でした。

この日は、売主さんと一緒に、図面を見ながら、どこまでが自分たちの土地なのかを確認していきました。1600坪は、予想以上に広いです・・・!

この場所で、加工所やカフェをしたり、人を招いて食事ができるような場所にしたいと話すと、売主さんはとても喜んでくれました。

 

2021年4月14日

購入の意思を伝えると、井戸水の水質検査などをしてもらうことになりました。契約まではしばらく時間がかかりそうです。

その間も、山梨に予定があると帰りに立ち寄り、庭の様子をみにいったりしていました。

季節が春になるにつれ、庭の緑も増えていきました。

 

2021年4月18日

桃源郷でやりたいことのイメージがどんどん膨らんでいきます。

朝、甲府盆地を見ながら、ハンドパンという楽器を奏でたい。

まだ物件を購入する前ですが、ハンドパンを手に入れてしまいましたw

 

2021年4月24日

塩山の家の近所に住む、ガラス作家の小牧さんの工房兼自宅が完成しました!

お披露目会をするとのことで、出張料理に伺いました。

一番初めに小倉ヒラクさんに繋いでもらった塩山のご縁。引っ越してくる前から塩山の人たちと仲良くなれてとても嬉しいです。

地方に移住をしたり、第二拠点を構えるに当たり、そこで暮らしたい。そこに住む人と何か一緒にやっていきたいという思いは重要なポイントだなと改めて思いました。

 

2021年7月4日

水質検査の結果、井戸水には問題なかったのですが、二つあった井戸水のポンプが一つ壊れてしまっていたようで、修理をしてもらうのに、4ヶ月ほどかかりました。

季節は夏。

購入前の最終確認に塩山へ再び伺いました。

庭の果樹が実をつけていました。琵琶も葡萄もイチジクも!甘くて美味しい。

梅はもう終わってしまい、全部落ちてしまっていました。

もう少し早いタイミングで収穫すれば、来年は梅干しを仕込めそうです。

新しくつけてもらった井戸のポンプもばっちりでした。いよいよ、契約になります。

 

2021年7月12日

1週間後、契約のため、ふたたび塩山へ。

契約まで時間があったので、甲府の友人たちを訪ねました。

塩山に拠点を構えると話していると、周りの友人が山梨で活動している友人を数珠つなぎで紹介してくれていました。

まずは、甲府にお店を構える「靴工房YUTA MITSUMORI」のお店へ。前回遊びに行っていたときにオーダーした靴が完成していたので、受け取りに行きました。

新しい靴で契約へ。縁起が良いです。

その後、五味醤油さんへご挨拶に。

小倉ヒラクさんに繋いでもらったご縁。五味醤油のご兄妹・小倉ヒラクさんがパーソナリティーの発酵ラジオにゲストで呼んでもらったことがきっかけに、仲良くなりました。

【ラジオ出演】山梨放送「発酵兄妹のCOZY TALK」にゲスト出演しました。

 

お昼過ぎ、不動産屋さんにて、たくさんのハンコを押して、無事家の契約が完了しました。

家を購入するのは、2回目です。大きな買い物には毎回ドキドキしますが、同時にワクワクもとまりませんでした。

(1回目の購入やリノベーションについてはこちらのブログにまとまっています。)

【0】目次:リノベーションはじめます!

 

鍵をゲットしたので、近くのホームセンターで掃除用具を買い揃え、早速、家の掃除に行きました。

コンビニご飯も、この景色を眺めながら縁側で食べるとワクワクしてきます。

しかし、良いことばかりではありませんでした。笑

キッチンの天井が何故かたわんでいます。怪しいとおもって、高枝切り鋏で突っつくと、天井から激しい雨漏りが・・・!

これには、二人とも唖然!w  雨漏りというか、もはや滝のように水が流れ落ちてきました。

そういえば、最後に家の見学してから1週間の間、梅雨で雨がふり続けていました。

2回の屋根の排水溝が落ち葉で詰まって、キッチンの上の天井に水が溜まってしまっていたようです。

幸い、キッチンエリアは、加工所にリノベーションする予定だったので、一旦天井を抜いて応急処置をしました。

他の場所は、なんともなく、一安心。ただ、落ち葉がすごいのでなんとかしなければと思いました。

 

2021年7月21日

この場所を加工所にリノベーションするため、建築家のの松島さん御一行に見学に来てもらいました。

庭で焼き肉を食べながら、ここをどんな場所にしていきたいか、イメージをお話しました。

この状態でも、キャンプのようですでにとっても楽しい!

 

2021年7月23日

お盆にもう一度訪問。この日は道が混んでいて、いつもは2時間で辿り着くのに、5時間もかかってしまいました。

この日は、妹と甥っ子も一緒にきました。

雨漏りしないために、雨樋の掃除をしました。

裏庭の落ち葉を箒で掃くとだいぶスッキリして綺麗になりました。

 

2021年7月29日

ずっと日帰りで通っていましたが、この日は布団を持ち込んで、初めての宿泊をしました。

2階の和室は、旅館のように快適です・・・。

朝起きて、まだ涼しいうちに庭の木の剪定をしたり

土が詰まっている排水溝を掃除したり・・・

ひとしきり働いた後は、サウナ!ご近所のヒラクさんも遊びに来てくれて一緒に整いました。

その後、今後の事業に活用できそうな助成金がないか、市役所をめぐり、地元のおなじみのお店「平和園」をおしえてもらい、ラーメンでお腹を満たしました。

 

2021年8月9日

8月に入っても、庭の手入れと家の掃除は続きます。

庭があると、東京では必要としないような道具を買い揃えることになりました。

園芸梯子や、高枝ノコギリなどなど。。。

ホームセンターでも、虫除けやハチ対策のスプレーをたくさん買いました。

ガスを引いてもらい、これでキッチンで料理や、お風呂に入れるようになりました。

柿渋を塗ったり、壁を磨いたり、カビ臭くなってしまった畳を干したり・・・

しかし、掃除をしながらも、お気に入りの器を持ち込んで、お庭でカフェごっこをする余裕もでてきました。

お庭にハーブがたくさん生えていたので、ハーブブーケをつくり、お風呂に浮かべました。

おうちをゲットして1ヶ月。掃除をしながらも、自然あふれる塩山での暮らしを少しずつ楽しみはじめました。

2021年8月19日

初めて友人を家に呼んでプチおもてなしをしました。

お庭でランチを食べて・・・

ぶどう狩りをして

夜は焚き火をしながらシーシャを楽しみました。

この夜景を見ながらの焚き火。ここにしかない風景で大好きなんです。

 

その後、友人が何人か訪れてくれました。

我が家の自然を楽しんだり、周りのワイナリーや作家さんを巡ったり、温泉に行ったり。

ゆるゆると楽しみながら、この場所をどんな風にリノベーションしていくか計画しています。

松島潤平建築設計事務所に考えてもらった図面をもとに料理を作る人が、気持ちよく働ける場所を作っていきたいとおもっています。

振り返ってみると、初めのきっかけは、「もう少し外に開けた場所を持ちたい」というところからはじまりましたが、それは自宅のそばでもなく、倉庫でもなく、気づけば山梨県にたどり着いてしまったのです。

でも、「何か新しいことを始めたい」という強い気持ちのみでここまで突き進んできました。この場所との出会いは、偶然のようで必然のようにも感じます。

しかし、とても長いと感じられた、「第二拠点、塩山物語」は始まったばかり。

2022年中に加工所としてオープンできるように、引き続き頑張っていきます。どうぞ暖かく見守っていてください。

 

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