「熱燗DJつけたろう×てとてと」奇跡のマリアージュ9品9酒を開催しました!
2018年8月4・5日
「熱燗DJつけたろう×てとてと」奇跡のマリアージュ9品9酒を開催しました。
8/4(土)12:00〜
8/4(土)19:00〜
8/5(日)17:00〜
3部構成で開催したこのイベント。合計23名の方に来ていただきました。
参加費が15000円という、決して安くはない金額でしたが、絶対に満足してもらえる!そんな自信いっぱいの内容にできたと思っています。
熱燗ペアリング実験を何回も行ったことはもちろん。食材や器までとにかくこだわり尽くしました。
日本一美味しい!いや、世界一おいしい!と思える食材を探し、山梨県や兵庫県の生産者さんを訪れ、直接お話を聞き、手に入れてきました。
今までなかなか手が出なかった大好きな作家さんの器をこれを機に8種揃えたり、料理にぴったり合うビンテージ品の器は、オークションなどをチェックしながら手に入れました。
日本酒もグラスによって香りがガラリと変わってしまうことがわかり、飲み比べてお出しする日本酒に最適のグラスを揃えました。
私たちのこだわりが、これでもか!と詰まった9品9酒のコースなのです。
お料理とお酒、器のご紹介
世界各国の創作料理を得意とする、てとてとゴウキが考えたこだわりの9品に、熱燗DJつけたろうが熱燗をペアリングをすることで、奇跡のマリアージュが生まれます。
お食事コース9品
- ひかりものの酢〆 キウイときゅうりのジェノベーゼを添えて
- 出汁煮卵とノッチェラーラ
- ルタバガのクラムチャウダー
- 世界一美味しい金楠タコのポテトサラダ
- 麻婆豆腐揚げてみました
- ハヤリソーセージのパッションチリソース添え
- 和牛のスパイシーチェリーパイ
- 焼き枝豆の炊き込みご飯
- 桃とクラフトジンのカスタードババロア
今回お出しした日本酒がこちらです。圧巻!
それぞれ、1品1酒ずつご紹介します。
1品目:ひかりものの酢〆 キウイときゅうりのジェノベーゼを添えて
旬のアジを特別な米酢で〆、きゅうりとキウイとシソに橙酢を効かせたジェノベーゼソースを添えています。あしらいは菊の花とタデ。
米酢と橙酢。種類の違う酸味を合わせることで、酸を立たせても、尖って単調になりません。また、橙酢はの爽やかな香りと軽やかな酸味が、フルーツの酸味と酢〆の酸味をうまく繋いでいます。
器:藤崎 均さん
1杯目:FONIA TERRA 大地
一杯目は冷酒で合わせました。柚子皮、生姜、山椒などのボタニカルを副原料としているため、魚の酢〆に使用した橙酢と相性もよく、酢〆の魚臭さが霧散し、旨味を強く感じるペアリングです。
飲み方▶︎冷酒・ワイングラス
酒造▶︎株式会社WAKAZE(山形県鶴岡市)
スペック▶︎麹米:亀の尾 掛米:ササニシキ 精米歩合:90% アルコール度数:14度
副原料▶︎柚子皮・生姜・山椒
2品目:出汁煮卵とノッチェラーラ
煮卵を因数分解して再構築した料理です。ゆで卵を白身と黄身に分け、別々に味付けをしてミックスしました。上にはクレソンで作ったソースを乗せて、アクセントに燻製香をつけたパプリカパウダーを散らしました。
器:アラビア ヴィンテージ エッグスタンド
2杯目:旦 純米吟醸 山廃無濾過生原酒 備前雄町
旦はとにかく美味しい。日本酒としての完成度がかなり高いです。喉を過ぎた後から立ち上ってくるお酒の香りが、煮卵の隠し味に使った出汁の香りを連れて来る。そんなペアリングです。
飲み方▶︎冷酒・ワイングラス
酒造▶︎笹一酒造(山梨県大月市)
スペック▶︎原料米:備前雄町 精米歩合:55% アルコール度数:17-18度
3品目:ルタバガのクラムチャウダー
ルタバガとホタテをペーストにしてミルクで伸ばしたスープです。
ルタバガとは北欧のスウェーデンが原産と言われている野菜で、カブとじゃがいもを合わせたような独特な味がします。
そこに、エレガントな味わいが口の中にたっぷりと広がるMAMUNというセドリック・カサノヴァのオイルを一滴。瀬戸内の藻塩をひとつまみ。塩味と甘味がマッチして、一口飲むごとに味が変わるスープです。
器:釋永岳さん
3杯目:鳳凰美田 純米吟醸 生酛仕込み 温め燗 2015-2016
1、2杯目は冷酒を楽しんでいただき、3杯目から熱燗ペアリングのスタートです。ルタバガのスープを飲んだ後に、鳳凰美田を一口含むと、スープに潜んでいたホタテの香りが後から追いかけてくるのを楽しめます。
飲み方▶︎熱燗・錫チロリ61℃+常温・平杯(小)
酒造▶︎小林酒造(栃木県小山市)
スペック▶︎原料米:雄町 精米歩合:55% アルコール度数:16度
4品目:世界一美味しい金楠タコのポテトサラダ
金楠水産の世界一美味しいタコ。茹での技術にこだわり、ぷりぷりとした食感が楽しめます。何を隠そう、このタコは和牛ほどのお値段がするほどの高級品です。
イタリアのシチリアやナポリあたりでは、タコとポテトのサラダが結構ポピュラー。イタリア料理と日本の家庭料理を融合させてみました。
タコに合わせた野性味溢れる天然のケイパーと、独特の辛みが特徴的なピリクダーラというオリーブオイルはシチリアの食材を扱うセドリックカサノヴァのもの。
ポテトサラダには、自家製の塩レモンとマスタードを使用。貝割れ大根の辛み、オリーブオイルの辛み、マスタードの辛み。様々な辛みが混ざり合った一皿です。
器:上田隆之さん
4杯目:加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 生詰原酒 ver.7.3 出羽燦々
熱燗によって引き立てられた甘みや米の旨味が、ポテトサラダと想像もしてなかった味が湧き出してきます。
「なにこれ!?」という声が上がるほど。「鳥肌が立つペアリング」との声もありました。これはぜひ、体験していただきたいペアリングの1つです。
飲み方▶︎熱燗・耐熱ビーカー70℃+常温・平杯(小)
酒造▶︎加茂錦酒造(新潟県加茂市)
スペック▶︎麹米:山田錦 掛米:出羽燦々 精米歩合:50% アルコール度数:15度
5品目:麻婆豆腐揚げてみました
因数分解が得意なシェフゴウキさん。麻婆豆腐を因数分解するとこうなりました。
一晩水をきった豆腐に片栗粉をまぶし、揚げ豆腐に。白髪ねぎの上には、日々辣油(デイデイ)という台湾で人気のレモングラスが効いた辣油を数滴と、五香粉、花椒を散らします。甘辛いタレに漬け込み、バーナーで炙った和牛で、全てを包んで食べる新感覚の麻婆豆腐です。
器:藤崎 均さん
5杯目:千代むすび 純米吟醸 強力+シナモンスティック
燗をつける時にシナモンを入れることで、お酒にスパイスの香りがうつります。麻婆豆腐と一緒にこのお酒を飲むことで、シナモンの香りが加わり、料理が完成するのです。調味料として熱燗をとらえることができたペアリングです。
飲み方▶︎熱燗・銅チロリ55℃・平杯(大)
酒造▶︎千代むすび酒造(鳥取県境港市)
スペック▶︎原料米:強力 精米歩合:50%
スペック▶︎酵母:9号系酵母 アルコール度数:14度
6品目:ハヤリソーセージのパッションチリソース添え
ハヤリソーセージは、化学結着剤・発色剤・保存料・アミノ酸等の化学に頼らず、素材の力を引き出して造る『自然派ソーセージ』です。動物のお肉、内臓、野菜、穀物をベースに自社工房で、職人が一本一本手作業で紡ぎだす逸品で、一口食べただけで次元が違うソーセージだと誰もが思うはず。
恵比寿で大人気だったソーセージのお店を閉じて、ソーセージ作りに専念するために山梨県上野原に移住したソーセージ研究家の村上武士さん。
私たちは実際にこのソーセージを食べて感動しました。ゴウキさんは、「どんなに頑張ってもこれより美味しいソーセージは一生作れない。」そう思ってしまったそうです。
今回は、「この美味しいソーセージをみんなに知ってもらいたい。」そんな思いを込めた一皿に仕上げました。ソーセージは、「サイウア」レッドカリー風味のタイチェンマイソーセージをチョイス。
辛いソーセージの美味しさを引き立たせ、お酒のペアリングへとバトンをつなぐために、パッションフルーツのチリソースを開発しました。
6杯目:亀治好日 純米吟醸 一年熟成 27BY
どんなお酒を合わせても、このソーセージの強さに負けてしまい、ペアリングを完成させるのに難航しました。何度も試作を繰り返す中、パッションフルーツのチリソースが加わった瞬間、ペアリングがバチっと決まりました。とにかく、「合う!」という感想が多かったペアリングです。
飲み方▶︎熱燗・錫チロリ63℃+常温・平杯(大)
酒造▶︎鯉川酒造(山形県東田川郡)
スペック▶︎原料米:亀の尾 精米歩合:55%
スペック▶︎日本酒度:+5 酸度:1.5 アルコール度数:15.3度
美味しい瞬間、しっかりと抑えました!
抑えきれない、「うま!」の表情。
思わずこみあげてしまうこの笑顔。美味しさを物語っていますね。
7品目:和牛のスパイシーチェリーパイ
チェリーと牛肉とスパイスの組み合わせの妙を、楽しんでいただく一品。
濃厚に仕上げたブフ・ブルギニョン(牛肉のワイン煮込み)を、自家製チップスの上に乗せて、チェリーのタネとワインで作った濃厚なソースを一筋垂らし、さっくり焼き上げたパイと一緒に召し上がっていただきます。
ピンクの粉はビーツの粉末、ビーツの甘みが牛肉によく合います。
器:藤崎 均さん
7杯目:神亀 純米酒 辛口
米の旨味際立つ辛口の日本酒。牛肉に負けないしっかりした味もさることながら、後からやってくるバターの香りにみなさんびっくりしていました。
バターと日本酒が好相性なんだという発見に繋がるペアリングです。
飲み方▶︎熱燗・錫チロリ72℃・平杯(小)
酒造▶︎神亀酒造(埼玉県蓮田市)
スペック▶︎原料米:全量酒造好適米 精米歩合:60% アルコール度数:15度
8品目:焼き枝豆の炊き込みご飯
枝豆を皮付きのまま、低温のオーブンで焼きます。
こうすることで、茹でたときでは感じられないコリコリとした食感と濃厚な味わいが楽しめるます。
オーブンでの小生後、日本酒に浸し、薄皮も丁寧に一粒一粒剥がしていきます。自家製の焙煎ごまの香りと、甘辛く下味をつけたひき肉と合わさって、食欲をくすぐる夏のご飯です。
8杯目:神亀 純米酒 甘口+味噌汁
塩味と旨みが効いた味噌汁と合わせた味噌汁燗を作りました。
ご飯ものには味噌汁ということで、一夜干しした野菜を使った精進出汁で味噌汁をつくり、70℃まで加温した日本酒と合わせます。枝豆の炊き込みご飯との相性は抜群です。
飲み方▶︎熱燗・錫チロリ70℃・湯のみ
酒造▶︎神亀酒造(埼玉県蓮田市)
スペック▶︎原料米:全量酒造好適米 精米歩合:60% アルコール度数:15-16度
味噌汁燗▶︎①人参を二日間天日干しする
②人参・切り干し大根・干し椎茸・炒った大豆を一日水に浸ける
③2に日本酒を足して出汁を煮出しながらアルコールを煮切る
④麦米味噌と倍麹味噌をブレンドして味付けをする
⑤熱燗・味噌汁ともに70℃まで温めて混ぜ合わせて完成
9品目:桃とクラフトジンのカスタードババロア
今が旬の桃をつかったババロアは試行錯誤を重ねて完成させた自信の一品です。表面にジンでのばした桃のピューレとセドリックカサノバのFRCIBというオリーブオイル、それにピンク岩塩をトッピングしました。
桃の香りを、オリーブオイルの香りが強調してくれます。クラフトジンのボタニカルなハーブの香りも桃らしさを強調してくれます。
器:藤崎 均さん/VISION GLASS/硝子屋PRATO PINO/CUTIPOL
9杯目:杉錦 自然醸造 生もと純米
偶然に生まれた日本酒で、独特の酸味と発酵したような香りが特徴。
万人ウケする日本酒ではないけれど、桃のババロアにあわせると、全く違う料理として成立するような奇跡的なマリアージュを生み出します。9品9酒のなかでも一番印象的なペアリングだったという感想が多かったのが、この組み合わせでした。
飲み方▶︎熱燗・銅チロリ63℃・平杯(小)
酒造▶︎杉井酒造(静岡県藤枝市)
スペック▶︎原料米:全量酒造好適米 精米歩合:60%
スペック▶︎日本酒度:-11 酸度:3.6 アルコール度数:11-12度
以上!すでにお腹いっぱいですよね。笑
こんな風に、こだわりがいっぱいに詰まった9皿9酒の会でした。
参加してくれた皆さんの「おいしい!」の笑顔が見れて、私たちは幸せでした。
さいごに
次回は、2019年3月30日、31日に開催予定です。すでに今回参加された方が予約をしてくださいました。本当に嬉しい限りです。
次回も乞うご期待!
今回よりもっともっと、レベルアップしていますよ!