第三回「熱燗DJつけたろう×てとてと」11品11酒11カ国を体験しよう!を開催しました。
2019年10月21・22日
第三回「熱燗DJつけたろう×てとてと」11品11酒で11カ国を体験しよう!を開催しました。
2部構成で開催したこのイベント。合計16名の方に来ていただきました。
10/21(月)19:30〜22:30
10/22(火祝)19:00〜22:00
この日のために、何度も試作を繰り返し、最高の体験をつくりあげてきました。
今回も、熱燗ペアリング実験を何回も行ったことはもちろん。器や食材にも、とにかくこだわり尽くしました。
食材へのこだわり
鹿児島で養鰻屋さんをしている横山さんを訪ねました。
オーガニック鰻という、餌や環境にとてもこだわって鰻を育てているお話を、横山さんから直に伺うことができました。
自分たちの目で見て、直接お話を伺った、「こだわりの詰まった、とんでもなく美味しい食材」を、多く取り入れるようにしています。
お酒へのこだわり
酒蔵にも足を運んでいます。長野の高橋助作酒造店を訪ねました。
運良く、社長の高橋さんが蔵の案内をしてくださり、日本酒の説明をしながら飲み比べも体験させていただきました。
そしてお目当ての「信乃大地」というヨーグルト酒のこだわりを直接伺うことができました。
器へのこだわり
青梅にある、現在はたたんでしまったが、数年前まで、こだわりの器でお料理を提供されていたという旅館を訪れ、今回の食事会に使う器を数点譲っていただきました。
川を眺めながらくつろげる旅館。閉じる前に知っていたら、絶対に泊まりに行っていました。本当に素敵な場所でした。
旅館の店主さんは、季節やイベントごとに器を変えたり、作家さんにオリジナルの器をつくってもらったりしており、「お客様を笑顔にしたい。喜ばせたい。」という想いがこもった器がたくさんありました。
今は使われていなその器の一部を譲っていただきました。おもてなしの精神がこもった器を少しでも引き継げたらいいなとおもいます。
また今回は、調理スペースも美しく楽しく見えような演出にしてみました。料理がでてくるまでの準備の時間もワクワクしてもらえたらいいなとおもいます。
お料理とお酒、器のご紹介
世界各国の創作料理を得意とする、てとてとゴウキが考えたこだわりの11カ国のエッセンスを散りばめた11品に、熱燗DJつけたろうが熱燗をペアリングをすることで、奇跡のマリアージュが生まれます。
お食事コース11品
- ハイブリットなれ寿司
- 鯛のドライトマト締め
- 海老芋とナスのすり流し
- キノコのパスタ ラグーソース
- コンビーフポテサラ
- 洋梨のパスタ
- 横山さんの鰻
- セロリとあんこのグラニテ
- 海老のコンフィとカシューナッツフムス
- 2days牛タン
- 葛きりと栗餡
【お品書き お食事】
それぞれ、1品1酒ずつご紹介します。
1品目:ハイブリットなれ寿司
なれ鮓を、飯(いい)と魚に分解して別々に仕込み、早寿司の様相に握りました。
魚の部分は、塩麹とお米と乳酸菌で作った自家製のなれ寿司ペーストに、新鮮なサーモンの切り身を3時間ほど漬け込みました。ここに別の酸味の要素としてソースを載せました。サルサソースをイメージしたマイクロトマトと、ズッキーニと乾燥させた紫蘇の実で作ったラビゴットソースをかけます。
色々な酸味が口中で渾然一体となって、とにかく美味しいのです。
1杯目:花巴正宗 純米燗好み
なれ寿司のクリーミーさに花巴の乳酸感があいまって、お酒を合わさった瞬間に料理の旨味がすべて倍増されます。
飲み方 ▶︎銅50°C小
酒 造▶︎美吉野醸造
スペック▶︎
精米歩合:70%
アルコール度数:16度
2品目:鯛のドライトマト締め
トマトの旨味と昆布の旨味の種類は、「グルタミン酸」で一緒なのです。
そこでトマトを昆布に見立て、色移りのしないイエローミニトマトをドライにして、タイを締めました。トマトで締めると、旨味と酸味のおかげで、昆布しめと酢じめのハイブリッドのような感じになります。
締め終わったトマトをペーストにして、二倍酢で伸ばし、上澄みをタイの上に伸ばすようにかけました。
2杯目:FONIA TERRA 大地
醸造の過程でスパイスやハーブを漬け込んだ少し変わったお酒です。FONIAのハーブとスパイスが、締めて旨味が凝縮された鯛の刺身の薬味のようになります。
飲み方 ▶︎冷酒・ワイングラス
酒 造▶︎株式会社WAKAZE(山形県鶴岡市)
スペック▶︎
麹米:亀の尾
掛米:ササニシキ
精米歩合:90%
アルコール度数:14度
副原料 ▶︎柚子皮・生姜・山椒
3品目:海老芋とナスのすり流し
ナスと海老芋と浅利ダシ、ココナッツミルクですり流しを作りました。 浅利の旨味(コハク酸)は、日本酒にすごく合います。例えば、酒蒸しを想像してください。合うでしょう。
そして、ココナッツミルクの香り(ラクトン)も日本酒とすごく相性が良いです。特に樽酒や果物の香りがするお酒とは特に合うのです。
これは、絶対に日本酒に合う料理だ!そう思ってつくったのですが、、、なんとつけたろうが合わせたのは、日本酒ではないお酒でした笑
3杯目:aizu mead
ミードは蜂蜜を原料としたお酒です。ねっとりとした、すりながしにミードを流し込むと蜂蜜の香りとナス、海老芋の香りが一気に膨らのです。「日本酒と合う」とは、全く違った合わせ方で楽しむペアリングとなりました。
飲み方 ▶︎常温
酒 造▶︎峰の雪酒造場
スペック▶︎アルコール度数:10%
4品目:キノコのパスタ ラグーソース
エリンギを薄くスライスして、細く割いてショートパスタのような見た目と食感を設計しました。 牛の頬肉で作ったラグーソースは、ブイヨンのほかに鰹だしを使って、日本酒に寄り添うようなベースを目指しました。最後にシナモンの香りのするちょっと変わったバジルの花を散らして。
4杯目:如空 山廃仕込
燗にするとパンのようなイースト菌の香りがする個性的な如空に料理を合わせると、ビーフシチュー × パンのような最強の組み合わせの味になります。
飲み方 ▶︎銅57℃ 大
酒 造▶︎八戸酒類株式会社
スペック▶︎
精米歩合:65%
アルコール度数:15度
5品目:コンビーフポテサラ
自家製の発酵調味料「塩レモン」が味の決め手です。 コンビーフも自家製です。手作りするとエイジドビーフのような香りが出てきます。 柑橘の香りと酸味をまとったポテトサラダに、香り高く濃厚な味わいのコンビーフを合わせて、ここに熱燗が加わると旨味と香りの波が押し寄せます。
5杯目:冨玲 しろ 生酛仕込 27BY+五味醤油の甘酒+讃岐くらうでぃ
「冨玲 しろ 」「五味醤油の甘酒」「讃岐くらうでぃ」を4:5:1の割合でブレンドして熱燗に。交互に無限に食べ飲み続けられるペアリングになりました。ポテサラの酸味と讃岐くらうでぃの酸味がすべてをつないでくれます。
飲み方 ▶︎錫72℃ 小
酒 造▶︎梅津酒造(冨玲)
スペック▶︎
酒米:鳥取県産山田錦
精米歩合:80%
アルコール度数:14度
酒 造▶︎川鶴酒造(讃岐くらうでぃ)
スペック▶︎アルコール度数:6度
6品目:洋梨のパスタ
すりおろした洋梨と、みじん切りのイタリアンパセリとオリーブオイルと4種類のチーズ(ブルーチーズ、モッツァレラ、マスカルポーネ、パルミジャーノレッジャーノ)を和えたフルーツのパスタです。
このパスタは、舞美人というお酒に合わせにいきました。舞美人は、フルーツと乳脂肪を含んだものによく合います。特にブルーチーズとの相性がよくて、このパスタは舞美人と合わせて初めて完成すると言っても過言ではないくらい、ぴったり合った一品です。
塩加減がちょうど良いの12ヶ月熟成の生ハム、ハモンセラーノが良いアクレントとなりました。
6杯目:舞美人 山廃純米 無濾過生原酒 sanQ
ブルーチーズやパルミジャーノレッジャーノなどのクセのあるチーズと、舞美人のクセのある山廃乳酸が非常によく合います。ハモンセラーノとブルーチーズの塩味を、洋梨と日本酒の甘みが包み込むのです。
飲み方 ▶︎常温
酒 造▶︎美川酒造場
スペック▶︎
掛米:五百万石
精米歩合:60%
アルコール度数:16.5度
7品目:横山さんの鰻
横山さんの鰻は文句なしにおいしいです。 脂が乗っていて旨味もすごい。この鰻に負けないような味付けとして、豆豉醬を選びました。 旨味成分が濃く、発酵した豆の香りも豊かで、鰻に負けません。 かなり濃厚な組み合わせなので、蓼酢(たで酢)にチョンとつけて食べるようにしました。酸味で脂が落ちて少し軽い味わいになります。 お酒との繋ぎにもなるアイデアは我ながらよくできていると思います。
7杯目:伝家のカスモチ原酒
「とんでもなく美味い」の、一言。濃厚な鰻を甘いカスモチ酒がすべて増幅させます。
飲み方 ▶︎錫65℃ 大
酒 造▶︎大和川酒造店
スペック▶︎
酒米:夢の香
精米歩合:65%
アルコール度数:17度
日本酒度:-20
8品目:セロリとあんこのグラニテ
セロリと小豆って実は相性が良いのです。 小豆は豆なので、そう考えると豆とセロリを合わせた料理は世界中にあります。 セロリはペーストにして、台湾茶で割ってグラニテにしました。 餡子と台湾茶、セロリの香りが一体となる感覚を味わって欲しい一品です。
8杯目:大和屋善内 山廃純米
大和屋善内の豆っぽいさがあんことよく合い、まるで豆大福のような味わいになります。
飲み方 ▶︎常温
酒 造▶︎峰の雪酒造場
スペック▶︎
精米歩合:60%
アルコール度数:15度
9品目:海老のコンフィとカシューナッツフムス
車海老の3倍近く旨味を含む「天使のエビ」を低温でコンフィにしました。 仕上がりは甘エビのようにねっとりしています。 ここにカシュナッツペーストを合わせました。 ヨーグルト酒の熱燗にバッチリ合わせた自信作です。
9杯目:ヨーグルト酒 信濃大地
ヨーグルト酒を燗にすると、海老 ×クリームチーズ × ナッツという最強の組み合わせ。レモンはしぼらず、ヨーグルト酒にレモンを加えてお燗にすることで、海老にレモンをかけて食べたようなアクセントにもなります。
飲み方 ▶︎錫70℃ 小
酒 造▶︎高橋助作酒造店
スペック▶︎
精米歩合麹59% 掛米65%
アルコール度数:5度
副原料 ▶︎レモン
10品目:2days牛タン
牛タンを2日間、低温でコンフィにしました。 2日間調理すると、熟成肉のような香りがしてきます。また、食感も今までに味わったことがないような歯ごたえに。 白バルサミコ酢とトリュフ塩を合わせた三倍酢のようなソースをかけて。
10杯目:奥鹿 生酛 山田錦60 無濾過生原酒 27BY
牛タンと合わせると口の中で肉が旨味のメーターがふりきれ、お肉でトリップできるようなペアリングになります。
飲み方 ▶︎錫60+ 大
酒 造▶︎秋鹿酒造
スペック▶︎
酒米:自社田産山田錦
精米歩合:60%
酵母:7号
アルコール度数:7度
日本酒度:+6
11品目:葛きりと栗餡
葛きりは出来立てが一番美味しいので、提供する直前に手作りしました。
栗と白あんと黒蜜の甘みに、ドライ鬼灯(ほおずき)の酸味とタネの食感が加わって楽しい食味のスイーツです。
11杯目:やなぎかげ 七年熟成+純米古酒味醂 飛鳥山
「やなぎかげ」とは、みりんに焼酎を加えたもので、「飲みにくい酒を手直しする」というニュアンスから「ほんなおし」そう呼ばれ、ていました。。今回お出ししたやなぎかげは、7年熟成したものです。そのやなぎかげに、一滴、純米古酒味醂を混ぜることで、黒蜜の香ばしい甘み、ゴールデンベリーの酸味がより引き立ちます。お酒がすべてをつなげて完成するスイーツです。
飲み方 ▶︎常温
酒 造▶︎杉井酒造
スペック▶︎生酛純米 × 純米本味醂
TETOTARO(てとたろう)
「てとてと&つけたろう」のコラボで活動することが多くなり、3人のユニット名を「TETOTARO てとたろう」と呼ぶことにしました。
そして今回は、ロゴまでつくっていただき、メニュー表にのせました。
クスッと笑ってしまいそうなユニット名「TETOTARO てとたろう」ですが、私たちは大真面目。素敵なロゴをいただき、この活動もより一層本格的になってきたことを感じました。
みんなの笑顔
はじめは、ペアリングってなんだ???という表情を浮かべる方、緊張している方もいらっしゃいました。
一品一品進むごとに、どんどん表情がやわらかくなってきて、「なるほど!こういうことか!」「なんじゃこりゃ!」「こんな体験初めて!」と、じわじわとペアリングを楽しんでくれているようでした。
おいしくて「くぅ〜〜〜」という声が漏れちゃう人。
驚いて目を見開く人。
思わず笑顔が溢れる人。
皆さんの幸せそうな顔が見れて、TETOTAROも本当に幸せでした!
また初めましてのお隣同志さんと、お酌をし合うのも、このイベントの素敵なところです。
感謝祭
いつも、イベントが終わって私たちが感じることは、「自分たちも同じフルコースを味わってみたい!」というものでした。今回は、3日目にTETOTAROのロゴをつくってくれた友人や、動画を作ってくれた友人たちを招いて、自分たちも席について全く同じコース料理をたべる「感謝祭」を開きました。
自画自賛、ですが、、、やはり、このフルコースはとんでもなく美味しかったです笑
次回
次回は2020年3月に開催予定です!
TETOTAROのペアリングの会は、研究発表会のような立ち位置で、日頃つけたろう&てとてとのゴウキが、あーでもない、こーでもない。こんな合わせをしたら楽しそう!
そんな実験を繰り返していくうちに、とんでもない美味しいものが出来上がってしまい、せっかくならみんなにもこの体験を味わってもらいたい!
そういう思いからはじまっています。
年に2回、しかも16席限定という、珍しい会ですが、ご興味ある方は是非是非、次回の参加をお待ちしています!
前回のイベントの様子を動画にてご紹介