デザートとお酒のマリアージュ
2018年3月27日(火)
サーモンアンドトラウトのカヴィストの柿崎至恩さんと、オザキリエさんでお酒とデザートのコースをサモトラの定休日に限定出店されるということで、おもしろそうなので伺ってきました。
カヴィストとは、ワインを始めお酒の類の仕入れ管理を行う人のことで、要はお酒にめっちゃ詳しい人のことをいいます。柿崎さんの選ぶ、風土と時代の味のするお酒。とても個性的で新しいです。
オザキリエさんは、フリーのパティシエで店舗は持たず、ポップアップ形式出店するスタイルで活躍しています。
謎の突き出し(覚えてない…。)
パウンドケーキのラム酒がけ w/ プーアル茶
ジャマイカのラム酒をパウンドケーキに染み込ませ一皿。
使用しているラムは、ジャマイカのベリエというラム。 シングルモルトで作られたハイエステルタイプで、直に飲むと薬品のような香り(メチルアルコール臭)がかなり効いている印象のお酒。
アルコール度数は75.5度もあるそうです。試飲したけど、すんごい個性的でした。w
ペアリングするドリンクは、プーアル生茶。樹齢300年の古木から取れた茶葉を使用したもので、なんでも少数民族が山の中で育てたものなんだとか。
いちごのヌガーグラッセ w/ クラフトビール
メレンゲ調のジェラートに、クランブルが散りばめられていて楽しい食味の一皿。
ペアリングは、POHJALA Brewery(プヤラブリュワリー)というエストニアメーカーのインペリアルゴーゼというスタイルのクラフトビール。
通常、インペリアルゴーゼは、塩とコリアンダーが必須なのだけど、このビールはヘザー(ヒース)の枝を使って仕込んでいるらしくフローラルな印象が強かったです。
ヒース
花の香りと、いちごの酸味の相性が心地よい組み合わせでした。
キュウイのタルトチョコレートのスパークリングエスプーマ w/ 日本酒
チョコレートムースをエスプーマで絞り出すことで、口に入れるとシュワシュワと炭酸ガスが溢れ出る刺激的な一皿。
キュウイを細くカットしたものと、タルトを砕いたものが乗っていて食味も楽しいかったです。
その他にも、レッドオゼインやバックラーといった変わったハーブが散らしてあり、いろんな酸味を味わえる趣向が凝らしてありました。こちらは、広島の梶谷農園さんから取り寄せているそうです。
ペアリングは奈良県の三吉野醸造の花巴という日本酒。
ファンキーなお酒と評されましたが、確かに面白い味わいでした。23BYに水酛(みずもと)仕込みで作られたお酒を熟成させたもので、古酒に分類されるのですが、独特の酸味と甘みが絶妙でした。
三吉野醸造さんは、昔から自前の蔵にいる酵母だけでお酒作りをされているそうです。なかでもこのお酒は、乳酸発酵した生米で作る水酛(みずもと)仕込みという特殊な製法で作られているそうです。乳酸の酸味と丸い口触りと独特の甘みが印象的でした。
うるいとコーヒーゼリーとキャラメルのアイス w/ マルサラ酒
うるいというヌメッとした食感の野菜とキャラメルアイスという移植に組み合わせ。
発酵させた蜂みつや、チーズが食味に彩りを添えています。
ペアリングはマルサラ酒。マルサラ酒とは、アルコール度数の高いワインのことで、ブランデーなどを加えて作られます。フレンチオークで4年間熟成後、さらに6ヶ月のボトルエイジング後に出荷されるのだそう。芳醇な香りと甘みがデザートの甘みを引き立ててくれます。
オレンジの生チョコ w/ ブランデー
王道の組み合わせ。文句なしに美味しいマリアージュです。
ペアリングは、ROYALの15年。当時は流通量もそこそこでしたが、今では入手困難なんだそう。
お父さんのお酒のイメージありますが、マスカットのような香りと樽の苦味が心地よく、美味しかったです。
ナツメグの外皮のシャーベットw/ クラフトジン
シメはさっぱりとシャーベット。
ペアリングは、沖縄の糸満で作られるクラフトジン。マサヒロ OKINAWA GIN。泡盛ベースで作られたクセが強めのジンです。
柿崎のアレンジレシピで、隠し味に「台湾タガメ」を漬け込んでいるそうです。
タガメってカメムシの一種なので、独特の香りを持っているのですが、台湾タガメは洋梨のような香りがすることで有名なんだとか、確かに洋梨の香りがジンに移っていましたが、見た目が…。w
とても楽しく、美味しく、そして勉強になった夜でした。
今晩もごちそうさまでした。