てとてとおすすめの調味料【みりん編】
みりんは、僕が一番よく使う調味料かもしれません。
みりんを使いこなせるようになるとグンと料理のレベルが上がるので、こだわったものを選ぶのは上達への近道だと思います。
みりんとは
みりんとは、蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎または醸造用アルコールを加えて、2ヶ月ほどで熟成させたものです。熟成の間に、麹菌に由来するアミラーゼの作用により、もち米のデンプンが糖化され、甘くなります。麹菌に由来するプロテアーゼの作用により生じるコハク酸やアミノ酸が独特のコクを生じさせます。
料理にコクとテリを与え、煮物に使うと煮崩れを防いだり、魚臭さを和らげてくれたりと、すごく優秀な調味料です。
そんなみりんにも、実は種類があります。
みりん風調味料
水あめなどの糖類、米、米麹、うまみ調味料などをブレンドして作られた「みりんっぽい甘味料」。
アルコールは入っていないので、ドレッシングやスイーツなど火を通さないで食べるものに使うのがおすすめ。
ただ、我が家では使わないです。みりんを煮切って使えば良いだけなので、使い分けるメリットはあまりないと感じたからです。その手間が面倒な方は使い分けると良いかもしれません。
本みりん
蒸したもち米と米麹にアルコールを加え、香味を調整して2か月ほどで造ります。 大手メーカーのみりんは、ほぼこれにあたります。
戦後から行われるようになった工業的な製法で、 加圧蒸煮や高温液化などの処理を施して、短期間ででんぷんやたんぱくの利用率を増します。 伝統的な作り方で使われる乙類焼酎を使わず、ホワイトリカーなどの甲類焼酎(醸造用アルコール)を用いることが多いです。 醸造・熟成期間は2ヶ月ほどです。
本仕込み みりん
日本の伝統的な製法で作られたみりんです。
上質なもち米、米麹、米焼酎とで みりんもろみを作り、長期糖化熟成します。醸造後1〜2年間寝かしたものを本仕込みというらしく、手間隙がかかっている分、コク、香り、甘味の奥行きが素晴らしいです。
こぼれ梅
昔ながらの伝統製法でつくられるみりんから取れる酒粕です。つまり、本仕込みみりんの酒粕。
もろみを圧搾することで、みりん原液と搾り粕に分離しますが、この搾り粕が「こぼれ梅」です。現在、みりんを昔ながらの伝統製法でつくる蔵元は日本酒に比べて少ないため、貴重です。
名前の由来は、もち米特有の粘り気があり真っ白でぽろぽろした形状が、満開になった梅の花のように見えることから別名として定着したものだそうです。
おすすめのみりん
福来純「伝統製法」熟成本みりん/白扇酒造
前段で紹介した「本仕込みみりん」です。仕込みに90日、熟成に3年程度かけた逸品。
旨みたっぷりの深い琥珀色のみりんは美しささえ感じます。深みのある甘みと複雑なうまみ、豊かなコクと熟成香がたまらない。僕のお気に入りのみりんです。
https://www.hakusenshuzou.jp/goods/detail.cgi?id=10
飛鳥山みりん/杉井酒造
こちらも「本仕込みみりん」です。
麹・もち米ともに80%とみりんとしては精米歩合が低く、きめの細かい上品な味わいのみりんです。例えるなら絹のようなみりん。色も薄ら黄色い程度なんですが、見た目に反して芳醇にしてキレのある甘味と香りに、このまま飲みたくなる逸品。こちらも、僕のお気に入りです。